話題の映画【国宝】を観てきました。元々、歌舞伎や日舞が好きだし、メインキャストの吉沢亮、横浜流星のお二人も好きだし、カンヌ映画祭でも上映されたとあっては観ないわけにはいかない。吉沢亮が、激動の時代を生き抜いた稀代の女方歌舞伎役者・喜久雄。横浜流星が、喜久雄の親友でライバルとなる、歌舞伎界の御曹司・大垣俊介を演じたのだけど、まぁよくぞここまでと思わせる程。およそ一年半程かけて歌舞伎俳優を演じる為の稽古を続けてきたそうだけれど、本当に日舞も芝居も見事で、特に女形としての台詞や所作など、どれほど心血を注いだことかと心底感心してしまいました。余りに迫力ある演技であるがゆえにストーリーに没頭できず、幾つかの場面で【吉沢くん、綺麗】とか、【流星くん、この台詞、本物の女形みたい】等と思ってしまったけれど、とにかく、およそ3時間があっという間。渡辺謙、田中泯、寺島しのぶ、高畑充希、森七菜、見上愛など、そうそうたる出演者のなかにあって、主演の少年時代を演じたふたりも素晴らしかった。歌舞伎界の約束事、厳しさなども垣間見ることのできる作品で、劇中の踊りや劇中劇等は大幅にカットされているだろうけれど、全編を観てみたいと思わせるほど見事でした。
投稿日:2025年6月8日